神経線維腫症I型(フォンレックリングハウゼン病:NF1)
1. 神経線維腫症I型(フォンレックリングハウゼン病:NF1)とは
神経線維腫症I型(フォンレックリングハウゼン病:NF1)とは母斑症の1つで、カフェオレ斑と、神経線維腫を主徴とし、そのほか骨、眼、神経などに様々な症状をおこします。
NF1遺伝子の異常により、家族性に発症しているかたと、両親に神経線維腫症I型がなく、患者において突然変異が生じたことより発症したと考えられる孤発例の患者がみられます。
症状としては、カフェオレ斑の他に神経線維腫という腫瘍ががみられます。神経線維腫は、通常は指の先ほどの大きさの柔らかい腫瘍ですが、中には大きな局面が柔らかく隆起するびまん性神経線維腫といったものが生じることもあります。神経線維腫は年齢を増すごとに数が増えて大きくなります。非常に稀ですが、神経線維腫の悪性化(悪性末梢神経鞘腫瘍)が生じることがあります。そのほかに眼合併症として虹彩小結節、骨合併症として四肢骨の変形、骨折、脊椎・胸郭の変形、頭蓋骨・顔面骨の欠損が生じることがある。
形成外科では主に、皮膚の病変や頭蓋骨・顔面骨の欠損とそれに伴う変形に対しての治療を行います。
2. 神経線維腫症I型(フォンレックリングハウゼン病:NF1)の治療
神経線維腫・カフェオレ斑に対しては手術により切除したりレーザー治療が行われています。頭蓋、顔面の骨の変形に対しては頭蓋顔面外科という形成外科の中の特殊な分野を専門とする医師たちが治療に当たります。
皮膚以外にも症状が及んでいる場合、複数診療科の医師がチームを組んで、患者ケアにあたっています。
3. 神経線維腫症I型(フォンレックリングハウゼン病:NF1)の治療により期待される効果
神経線維腫は年齢とともに増えていくことなどから、一度の治療で完治させることはできません。しかし特に、顔や頭に変形を及んでいる場合などはその見た目を改善させることで、精神的苦痛から開放されることによるQOLの向上が期待できます。