一般社団法人 日本形成外科学会

悪性黒色腫(メラノーマ)

1. 悪性黒色腫(メラノーマ)とは

悪性黒色腫(メラノーマ)とは皮膚に存在する、メラニン色素を産生するメラノサイトががん化したできもので、リンパや血液の流れにのって転移しやすい腫瘍です。濃淡のある黒色のあざとして見えるので、ほくろと見分けることが重要です。この腫瘍は、形が不整、境界が不明瞭、色の濃淡、直径が6mm以上などの特徴があることが多いです。

2. 悪性黒色腫(メラノーマ)の治療

治療は切除手術で完全に取り切ることが重要です。がん細胞が存在する深さを参考に切除範囲を決めますが、時に広範囲の組織欠損が生じることがあり、その場合は皮膚移植や皮弁形成などの再建手術を行います。また、リンパ節の転移が疑われるものでは、あらかじめリンパ節に転移があるかどうかを調べる検査(センチネルリンパ節生検と言います)を行い、必要に応じてリンパ節を郭清する手術を行います。進行例では、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などを組み合わせた薬剤治療を行います。

3. 悪性黒色腫(メラノーマ)の治療により期待される効果

治療後、約半年毎に画像検査や血液検査を受けて、転移や再発が起きていないかを確認します。特に治療後2~3年以内は最も転移や再発が起きる頻度が高い期間ですので、要注意です。また他のがんより、比較的遅く再発するという報告もあり、治療後少なくとも5年~10年間の経過観察が望まれます。

監修

監修者代表

一般社団法人 日本形成外科学会 
渉外・広報委員会 委員長:小山明彦

渉外・広報委員会(他監修者)

名簿一覧