専門医になるには
2年間の初期臨床研修終了後、形成外科領域全てに関して、定められた研修プログラムの下、4年間のプログラムを修め、資格試験に合格すると専門医として認定されます。
形成外科専門医
形成外科医は、頭のてっぺんから手や足の先まで、身体の表面を中心に、至る所の病気やけがを治しています。傷や変形をきれいに治すことを主な目的とし、顔や手足など身体表面の、ケガや顔面骨折、やけど、あざ、腫瘍、先天異常、皮膚潰瘍、がんの切除・再建、乳房再建および美容医療などについて専門的な知識と診療技術を持ち、これらの領域に関して適切に対応する診療を行う医師です。
治療する患者さんの年齢も新生児、小児から青少年、成人、高齢者まで全ての年代に及びます。専門医資格は形成外科の一般診療を行うための必要条件であり、これを取得した後それぞれの専門領域に進むことができます。
各領域(subspeciality)の専門医・分野指導医
日常診療において最も患者数の多い疾患分野を対象とし、形成外科診療の各領域(subspeciality)の専門医・分野指導医制度があります。
特定分野指導医
日本形成外科学会が認定します。
1. 皮膚腫瘍外科分野指導医
皮膚・皮下組織に生じる良性腫瘍および悪性腫瘍を対象に、より高度な切除、リンパ節廓清、再建外科治療技術を有す形成外科専門医です。
皮膚腫瘍外科分野指導医認定委員会が認定します。
2. 小児形成外科分野指導医
口唇・口蓋裂をはじめとする頭蓋顔面の先天異常や体幹・四肢の先天異常・変形、母斑、血管腫・血管奇形、腫瘍、外傷や瘢痕などを対象に、年齢、発達の状態、成長などを考慮し小児医療を行う、後進を指導するに十分な能力を有する形成外科専門医です。
小児形成外科分野指導医認定委員会が認定します。
3.再建・マイクロサージャリー分野指導医
頭頸部、乳房、乳房以外の体幹部の再建、再接着を含む四肢の再建、マイクロサージャリー手術などを対象に、後進を指導するに十分な能力を有する形成外科専門医です。
再建・マイクロサージャリー分野指導医認定委員会が認定します。
4.レーザー分野指導医
黒、茶色、赤などの皮膚の色素異常(いわゆる「あざ」)やその他の皮膚疾患ならびに皮膚の色調改善や脱毛などの美容医療におけるレーザー治療に関し、後進を指導するに十分な能力を有する形成外科専門医です。
レーザー分野指導医認定委員会が認定します。
分野指導医
それぞれのサブスペシャルティ学会が認定します。
5. 創傷外科専門医
創傷治療の基本であるキズ、キズあとを治すプロフェッショナルな医師です。全員が形成外科専門医であり、より高度な知識と技術を駆使して、「熱傷や外傷などの急性創傷をきれいに早く治す」、「褥瘡(床ずれ)や下腿潰瘍などの治りにくい慢性創傷を治す」、「ケロイドや肥厚性瘢痕などをきれいに治す」ことが可能になります。
日本創傷外科学会(https://www.jsswc.or.jp/)が認定します。
6. 頭蓋顎顔面外科専門医
頭蓋顎顔面の骨折や骨格変形、唇や耳の生まれついての欠損、まぶたや鼻の怪我、頭蓋顎顔面領域の腫瘍切除や組織欠損の再建など、顔面を中心とした変形に対する治療において、後進を指導するに十分な能力を有する形成外科専門医です。
日本頭蓋顎顔面外科学会(http://www.jscmfs.org/)が認定します。
7.美容外科専門医
原則として日本形成外科学会の専門医を持つ医師で、美容外科に一定以上の経験があり、美容医療における高いレベルの治療を提供する形成外科専門医です。
日本美容外科学会(https://www.jsaps.com/)が認定します。
8.手外科専門医
手外科専門医は、整形外科または形成外科の専門医であり、上肢全般、特に肘から手指の疾患に関する医学的スペシャリストです。手指の切断や骨折などの外傷、スポーツ障害や筋肉・腱の障害、皮膚などの組織欠損、関節炎・関節症による痛みや変形、手のしびれ・痛みや知覚異常、先天的な障害などのさまざまな疾患や病態に対して、より高度の治療技術を用いて社会復帰を支援しています。
日本手外科学会(http://www.jssh.or.jp/)が認定します。
9.熱傷専門医
熱傷の病態生理、創傷治癒、再生医療など基礎研究と、ライフサポート、感染制御、局所管理、創閉鎖といった熱傷に関連する諸問題に対する臨床研究を対象に、後進を指導するに十分な能力を有する形成外科専門医です。
日本熱傷学会(http://www.jsbi-burn.org/ )が認定します。