一般社団法人 日本形成外科学会

理事長

日本形成外科学会
理事長 森本 尚樹

理事長からのご挨拶
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日本形成外科学会 理事長 森本 尚樹

令和3年4月に日本形成外科学会理事長を拝命致しました京都大学大学院医学研究科形成外科学の森本尚樹と申します。私は令和元年5月1日、令和の始まりと共に京都大学形成外科第四代教授として着任したばかりです。素晴らし業績をもつ歴代理事長と較べますと、経験も実績も甚だ不十分ですが、日本形成外科学会の更なる発展のため、精一杯の努力をさせていただきますので、会員の皆様の御支援を心よりお願い申し上げます。

形成外科は、耳鼻科、整形外科、皮膚科、などの関連各科より医師が集まり独立した診療科となった歴史があります。このため、取り扱う疾患も口唇口蓋裂、小耳症などの顎顔面領域の先天異常の治療、多合指(趾)症などの手足の先天異常、熱傷、瘢痕拘縮、ケロイド、皮膚腫瘍(良性、悪性)、母斑(あざ)などのいわゆる皮膚外科、顔面骨折などの顔面外傷が形成外科診療の中心でした。その後、顕微鏡下で微細な操作を行うマイクロサージャリー技術の急速な発展と共に、1ミリに満たない血管、神経、リンパ管を吻合、縫合する技術は形成外科の得意分野となりました。具体的には、切断四肢再接合術、失われた手指への足趾移植手術等の手の外科手術、乳癌や頭頸部癌などの切除後の組織欠損を再建する組織移植手術は形成外科診療の柱であり、形成外科なくしてこれらの悪性腫瘍手術を行うことは現在では不可能です。また、私が大学を卒業した1993年以降、皮膚再生分野を中心に、組織工学、再生医療が急速に発展してきました。細胞を使用した製品として日本で初めて承認された自家培養表皮、真皮再生の足場となる二層性人工皮膚も形成外科の日常診療で使用しています。更には、近年増加している糖尿病性潰瘍などの難治性皮膚潰瘍に対する持続陰圧閉鎖療法、PRP(多血小板血漿)治療などの新規治療も形成外科医が担当しています。また、保険収載されていませんが、脂肪移植・注入による乳房再生は世界的なトピックとなっています。海外では、他人からの顔面移植、手移植も行われており、形成外科医が担当しています。

形成外科は諸先輩方のご尽力により日本専門医機構で定める基本診療科の1つとして認定されています。実際に場所を問わず体表面の修復技術を持つ形成外科は、救急での総合外科としてもっとも適した診療科であると考えています。更に、再生医療を最も古くから実施してきた診療科として、今後も組織再生、臓器再生、そして究極の目的であるScarless wound healing(瘢痕を残さない皮膚再生)を目指して走り続ける診療科であり続けたいと考えています。