一般社団法人 日本形成外科学会

理事長

日本形成外科学会
理事長 橋本 一郎

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日本形成外科学会 理事長 橋本 一郎

本学会は、2024年の総会・学術集会で第68回を迎えました。現在、会員数は約5,900名、専門医数は約3,200名に達しており、毎年の新たな専攻医の登録数も220〜230名で推移しており、基本診療科の中でも順調に会員数を増やしています。まさに本学会は成熟期を迎えつつあるといえるでしょう。

さらなる発展と、形成外科を通じた国民の福祉への貢献のためには、いくつかの重要な課題に取り組んでいく必要があります。

まず一つ目は、専門医制度の充実とその質の担保です。これには、地域偏在の是正といった構造的な問題にも目を向けながら、制度設計を進めていくことが求められます。

二つ目に、若手医師の育成と教育体制の強化が急務です。これは特に美容外科領域のあり方とも深く関わる課題であり、持続可能なキャリア支援と専門性の担保の両立を考える必要があります。

三つ目に、研究力の強化です。形成外科が臨床研究・基礎研究の双方において独自の存在感を示し、日本の医学界の中での確固たるポジションを築くための取り組みが求められています。

さらに、国際交流の拡大と情報発信のグローバル化も重要なミッションです。日本における形成外科の技術と知見を世界に向けて発信し、国際的な連携を強化していくことが、学会の未来を拓く鍵となります。

最後に、形成外科が大切にしている「整容性(見た目の美しさ・自然さ)」が、単なる審美目的ではなく、健康と福祉に寄与する本質的な医療であるという認識が、社会全体にはまだ十分に浸透していない現状があります。この点については、今後は学会として、広く社会に訴え、形成外科の社会的価値の再確認を進めていく必要があると考えています。

組織が前向きに成長していくためには、専門性の深化(分化)と、それを全体として統合する力の両立が不可欠です。本学会では、会員の皆様のご意見を広く取り入れながら、共通のビジョンを持って一体感ある組織運営を目指してまいります。

本学会のさらなる発展のために、引き続き、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

2025年6月