乳房外パジェット病
1. 乳房外パジェット病とは
乳房外パジェット病とは皮膚に存在するアポクリン腺という汗を作る組織から生じるがんです。陰部周囲やわきの下に赤みのあるかぶれのような症状を呈し、水虫(かび)と間違えられることもありますが、通常かゆみはありません。がん細胞が表皮内にとどまっていれば転移することはありませんが、深く進行すると近くのリンパ節に転移することがあり、時に命に関わることもあります。
2. 乳房外パジェット病の治療
治療の原則は切除することですが、病変の境界が不明瞭なものや、病変が連続せずに少し離れた場所にがん細胞が存在することもあることから、あらかじめ周囲の組織にがん細胞が存在するかどうか調べてから切除手術を行うこともあります。
リンパ節転移が広範囲に及んだり、臓器に転移がある場合は、化学療法を主体とした治療が行われます。
3. 乳房外パジェット病の治療により期待される効果
早期に治療すれば十分根治が可能な病気ですので、早めに形成外科にご相談ください。
また乳房外パジェット病では15%程度に胃癌、膀胱癌、大腸癌などを伴う事があるため、治療の経過中に内臓の検査を、他の癌がないかを確認します。