口唇裂(唇裂・唇顎裂)
1. 口唇裂とは
口唇裂には様々な程度のものがあり、「裂」と呼ばれる割れ目の長さによって、口唇のみの不全唇裂と、鼻孔の中まで裂のある完全裂とに分類されます。また、両側か片側のみかによる分類もされます。さらに、裂が口唇のみに存在する口唇単独裂、顎堤にも及ぶ唇顎裂、口蓋にまで及ぶ唇顎口蓋裂などがあります。
口唇裂は鼻の形態にも大きく影響し、ほとんどの場合で鼻にも変形が存在しています。したがって、口唇だけでなく鼻の治療も行うことが重要になってきます。
口唇を閉鎖する手術のことを口唇形成術、または唇裂形成術などと呼び、通常は生後3ヶ月から6ヶ月頃に行われます。(写真3)。口唇のみの手術(鼻の手術も含みます)では、比較的早く行われることが多く、生後3ヶ月以降体重5kg以上を条件に手術を計画する施設が多いようです。
一部の施設で、口蓋裂に対して行う口蓋裂手術を口唇裂の手術と同時に行う口唇口蓋同時手術が行われているようです。
2. 口唇裂の治療
口唇裂の治療には、いろいろな手術方法が考案されています。
片側唇裂の場合、現在多くの施設で用いられているのは主に2種類です。一つはミラード法とその変法、もう一つは三角弁法とその変法です。その両者を組み合わせたミラード法+小三角弁法がよく行われています。
両側唇裂の場合、片側ずつ閉じていた時代もありましたが、現在は左右を一回で閉じる治療が一般的です。
手術の時期や方法の詳細は、施設によって異なりますし、口唇の状態によっても異なります。国内の各施設それぞれに歴史と治療経験があり、考え方の違いもあることから、治療法の標準化や統一はなされていません。
3. 口唇裂の治療により期待される効果
口唇裂手術により、見た目の改善、さらには哺乳の改善が期待できます。しかし、一度手術を受けた口唇も、だんだん成長に伴って上下方向の長さのバランスや横幅などに変化が出て来きます。そのため、将来的に左右対称なバランスをとるための修正手術が必要になることがあります。