一般社団法人 日本形成外科学会

医療安全推進委員会

ヘマンジオールシロップの副作用について

ヘマンジオールシロップ(プロプラノロール塩酸塩シロップ、マルホ株式会社)使用中のお子様に関し、以下の事例があったのでご報告します。

「生後3か月よりヘマンジオールシロップを12時間毎で服用を継続していた。1歳3か月時に形成外科において全身麻酔で手術を予定した。麻酔科医師が術前の内服薬は継続で可と指示を出した。朝手術前に患児が軽度痙攣症状を呈し、小児科医により低血糖発作(血糖値17mg/dl)と診断され、ブドウ糖投与にて症状が軽快した。事象レベルとしては3aであった。」

本剤の添付文書では、「反射性頻脈が減弱し、低血圧のリスクが高くなるため、全身麻酔薬を使用する処置が予定されている場合は、少なくとも48時間前に本剤の投与を中止すること」とされています。

本学会から、関連する日本麻酔科学会、日本小児科学会、日本皮膚科学会には同事案があったことを伝え、啓蒙をお願いすることといたしますが、ヘマンジオールシロップの副作用が必ずしも一般的な知識とはなっていない可能性がありますので、形成外科医師におかれましては、より十分な認識を持って関係各科と連携いただけますようお願いいたします。

医療安全推進委員会
委員長 四ッ柳高敏