形成外科女性医師育成のために
メンター制度の導入
(日本女医会HP「学術研究助成受賞者の軌跡(1991)」http://jmwa.or.jp/kiseki/post-119.htmlより転載)
藤田保健衛生大学形成外科教授
吉村陽子
(現藤田医科大学)
メンター制度とは
豊富な知識と職業経験を有した先輩医師(メンター)が、後輩医師(メンティ)に対して行う個別支援活動です。
キャリア形成上の課題解決を援助して、個人の成長を支えるとともに、職場内での悩みや問題解決をサポートする役割を果たします。
メンターとして重要な点は、成功体験を実現するためのお手本をロールモデルとして他に見せ、目標を達成するイメージ、成功した時の楽しさ、やりがいを語ることで、メンティーの仕事のやる気を高めサポートをすることです。
実際にするのは相談会
経験豊かな先輩医師(メンター)が双方向の対話を通じて、後輩医師(メンティ)のキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を援助して個人の成長をサポートする役割を果たします。具体的には定期的にメンターとメンティとが面談(メンタリング)を重ね、信頼関係をはぐくむ中で、メンターはメンティの抱える仕事上の課題や悩みなどに耳を傾け、相談に乗ります。そして、メンティ自らがその解決に向けて意思決定し、行動できるよう支援します。メンター・メンティの関係は、基本的にメンターは仕事の指示・命令を下し、評価を行う利害的関係のある直属の上司や先輩ではなく、異なる職場の先輩医師がメンターになることが一般的です。
お手本になる医師がメンターになる=ロールモデル
また、多くの医師がいる中で、目指す医師像は皆違います。メンターはロールモデルとなり、将来において目指したいと思う、模範となる存在となり、そのスキルや具体的な行動を学んだり模倣したりする対象となります。「豊富な職務経験を持ち、女性が将来のビジョンを描くために行動の規範・模範となる医師」といえます。スキルだけでなく、仕事とライフイベントの両立や業務への取り組み姿勢など考え方やあり方についてよい刺激を受けることができる存在でもあります。
平成24年度 厚生労働省委託事業
メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル より引用、一部改変