一般社団法人 日本形成外科学会

他科との関係

Q. 整形外科との違いは?

A. 整形外科的治療が機能予後に重きを置くのに対し形成外科的治療は多くの場合整容的予後を重視します。
形成外科では外表面、つまり全身の皮膚や軟部組織の疾患を扱うことが多いですが、整形外科は体幹、四肢の骨に関する疾患を扱うことが多いです。
顔面骨に関してはより整容的予後が重視されることもあり多くの場合は形成外科が扱います。
当然、形成外科で体幹、四肢の骨を扱うこともありますし、皮膚・軟部組織の疾患を整形外科で扱うこともありますので境界領域にあたるようなケースも存在します。

Q. 皮膚科とのすみ分けは?

A. 皮膚腫瘍、皮膚潰瘍などは形成外科でも皮膚科(特に皮膚外科と呼ばれる領域)でも扱いますので皮膚科と形成外科の境界領域とも言えますが、一般に遊離皮弁などの高度な再建や顔面などの整容性が非常に重視される場合など、少なくとも再建に関する部分は形成外科が担当することになります。
施設によっては皮膚悪性腫瘍の病理診断、切除範囲の決定、術後補助療法を皮膚科が、腫瘍切除、再建を形成外科が担当して治療をすすめるようなケースもあります。
また、保存的治療を続けても改善しないような症例に対して、皮膚科から外科的治療のコンサルテーションを受けることも多くあります。

Q. 美容外科との関わりは?

A. 美容外科診療においてはその特性上、整容的な側面が極めて重視されます。
患者の希望に応えるためには高度な形成外科的知識や形成外科的手技を要求されるのは間違いありませんし、形成外科のトレーニングを受けていない医師によって美容外科診療がなされるべきではありません。
つまり、美容外科は形成外科の延長線上にある一分野であると言うことができます。