形成外科で扱う疾患


化学熱傷

1. 化学熱傷

化学熱傷(化学損傷)とは化学物質による皮膚・粘膜の損傷です。
まず皮膚以外の損傷(化学物質による眼の損傷、吸い込むことによる気道粘膜損傷、飲み込むことによる消化管粘膜損傷)の可能性に注意すべきです。

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2. 化学熱傷の原因

原因となる化学物質は多種多様ですが、多くは化学物質そのものによる細胞の障害や、二次的に生じる発熱作用などによって局所の炎症や組織壊死が引き起こされます。工場や実験室での事故によるものが多いのですが、家庭での化学薬品(消毒剤、漂白剤、洗浄剤、錆落しなど)の誤使用も原因となります。

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3. 化学熱傷の症状

原因物質の種類、濃度、温度、接触時間によって症状は異なります。一般的には皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれを生じたり、皮がむけたり、皮膚の潰瘍・壊死など、熱傷(普通のやけど)で見られる症状を呈します。しかし、熱傷よりも、時間とともに皮膚深部へ損傷が進行することが多いのが特徴です。

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4. 化学熱傷の治療

おおむね次のような順序で治療していくことになります。

(1) 損傷の程度(重症度)の予想・把握

皮膚局所だけの損傷か、他の臓器(眼、気管、食道・胃)にも損傷が及んでいるかを考えながら初期治療に入ります。重症化が予想される場合は熱傷専門施設での治療が望まれます。

(2) 汚染着衣の除去

化学物質の接触時間を短くするために汚染された着衣は直ちに除去します。

(3) 損傷部位の洗浄

大量の水道水で洗浄し、原因物質を洗い流します。流水(範囲が広ければ体温程度の温水シャワーの方がよい)で1時間以上洗浄します。アルカリ性薬品の場合は、より長めに洗浄します。

(4) 中和剤・特殊治療法の検討

大量の水道水に勝る中和剤はないと考えて良く、そのため中和剤・拮抗剤を用いることは稀です。しかし、以下のような物質については、水洗後の特殊治療が考慮されます。フッ化水素―グルコン酸カルシウムの皮下注射。フエノール―ポリエチレングリコールでふき取ります。タール―有機溶媒やワセリンなどで除去します。

(5) 外用療法

熱傷に準じた外用療法。痛み・細菌感染への対策をとります。

(6) 形成外科手術

広範囲の組織壊死に対しては植皮などの形成外科手術を行います。

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5. 予後・治療結果

損傷部位や程度などによって、軽症から重症までさまざまです。

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