形成外科で扱う疾患


ケロイド

1. ケロイドと肥厚性瘢痕

瘢痕(=きずあと)の線維成分が過剰に増殖すると、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になります。ケロイドは隆起や硬さ、赤みなどが持続し、当初の範囲を超えて大きくなりますが、肥厚性瘢痕は、多くの場合時間とともに落ち着き、当初の範囲を超えて大きくなることはありません。

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2. ケロイドの症状

赤褐色に隆起した硬い腫瘤で、激しいかゆみや、痛みを伴うことが多いです。腫瘤の形が複雑で表面の凹凸が強いものでは、深部で感染を起こし、排膿を繰り返す場合もあります。

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3. ケロイドの原因

けがや手術が原因となることが多くあります。しかしBCG注射、にきび、虫刺されなどの、問題にならないような軽度の皮膚損傷でも、ケロイドが発生することがあります。同じような手術を行っても、ケロイドが発生したり、しなかったりしますが、その原因は不明です。

(1)人種

皮膚の色が濃い人種ほどケロイドになりやすいようです。

(2)遺伝

ケロイドをもつ家系は、もたない人よりケロイドになりやすいようです。

(3)体質

体の他部位に、落ち着くまで1年以上かかった瘢痕がある人、何らかのアレルギー素因がある人などは、ケロイドになりやすいと言われています。

(4)性差

特にありません。

(5)発生年齢

5~30歳代に多くみられます。

(6)内分泌ホルモン

様々なホルモンとの関係が指摘されていますが、はっきりわかっていません。思春期や妊娠中はケロイドが悪化しやすいと言われています。

(7)発生部位

好発部位は上腕外側、胸部正中、肩甲骨部、恥骨部、耳垂部です。陰嚢、眼瞼、頭皮などはケロイドになりにくい部位です。

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4. ケロイドの治療

ケロイドの治療は難しく、再発や悪化が多くみられます。多くは長期にわたる治療が必要となり、専門的知識を持った形成外科を受診することが望まれます。

(1)保存的治療
A.外用療法
ステロイド剤の入ったテープや、ステロイド剤軟膏を使用します。
保湿を目的として、水分不透過性絆創膏を貼ります。
B.局所注射療法
ステロイド剤をケロイドに直接注射する方法です。
C.内服療法
抗アレルギー剤は、かゆみなどの症状には効果が認められることがあります。
D.圧迫療法
患部の安静を保ち圧迫する方法があります。テープ固定やシリコンシートによる圧迫などが行われます。
E.放射線療法
手術後早期からの電子線照射が有効とされます。晩年の放射線障害の問題もあり、注意が必要です。
(2)外科的治療

ケロイド、肥厚性瘢痕の治療は保存的療法が第一です。外科的治療は保存的治療の補助手段と考え、手術を行っても保存的治療を早期から行う必要があります。安易な切除にて再発を起こすと、元のケロイドより大きくなってしまうこともあり、注意が必要です。

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