形成外科で扱う疾患


内視鏡手術

これまでの手術は直視下手術と言って、皮膚を長く切開し病変部を直接に見て治療を行っていました。そのため、キズアトは長く目立ち手術後の痛みも強くみられていました。内視鏡手術はこのような点を改善するように開発された手術で、内視鏡を用いて行う手術の総称です。通常、1センチ前後の短い皮膚切開から、胃カメラのような内視鏡を挿入して治療を行います。

手術は、まず病変部のまわりの皮膚に小切開を2~3ヶ所加えます。ここから病変部に至るトンネルのような道を作ります。ひとつの切開から内視鏡を、他の切開からは手術に使う鋏や鉗子などの器械を挿入します。内視鏡の画像をテレビに写し、この画面を見ながら挿入した器械を用いて直視下手術と同様の手術を行います。1センチ前後の短い切開ですが、既にあるキズアトや洋服などに隠れる部位、頭髪内などに切開をおくことにより、キズアトを最小限としより目立たなくすることができます。これまで脂肪腫や乳腺腫瘍・骨腫瘍などの皮膚の下にできた腫瘍(デキモノ)の摘出、頬骨や上下顎骨など顔の骨折の治療や骨切り手術、形成外科手術に必須な筋肉や筋膜・血管・神経などの各種再建移植材料の採取、漏斗胸やハト胸手術などに応用され、皺とり手術や豊胸術など美容外科手術にも応用されています。一方、この手術の大きな欠点は、細かい作業のため直視下手術に比べ時間がかかるという点です。そのため、ひとつの切開線を多少長めとし、直視下手術と併用する工夫もとられています。また、本来の内視鏡手術とは異なる使い方ですが、直視下手術の見えづらい部位の処理に内視鏡手術を併用し、確実な手術を行う工夫にも応用されています。

顔や手足などの露出部に特に有益な利点の多い手術ですが、残念ながら現時点では、全ての病変に内視鏡手術が行えるわけではありません。また、特殊な技術と器械を使うため、全ての形成外科施設で行えるわけでもありませんが、今後の発展が大いに期待される分野です。