形成外科で扱う疾患


マイクロサージャリー

1. マイクロサージャリーとは

マイクロサージャリーとは、文字通り、マイクロ(微小)+サージャリー(外科)、微小外科のことで、通常の手術とは異なり、顕微鏡を覗きながら特殊な器具を用いて行う手術のことです。顕微鏡下での剥離、神経外科、血管外科などに大きく分類されますが、形成外科領域では切断された指の再接着や切れた神経の縫合,血管吻合を用いた再建手術を行います。事故や手術などで失った体の欠損部に対して、欠損部と他の部位から組織(骨、筋肉、皮膚、神経など)を切り離して欠損部に移植します。その際、移植先で血管や神経の吻合を行います。マイクロサージェリーが臨床の場で世界最初に成功したのは、切断された指の再接着で、日本人の医者によるものでした。

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2. 治療法

顔面や四肢の悪性腫瘍を切除した後や外傷のために、骨・筋肉・皮膚が大きく失われた場合、骨・筋肉・皮膚・血管を付けて移植します。顔面神経麻痺のため、片側の顔面が全く動かなくなった場合、神経血管付きの筋肉を移植、反対側の顔面神経に移植した神経を吻合し、健側と同時に麻痺した側の顔面が動かせるようにします。生まれつきあるいは事故で手指を失った場合、足趾から採取した足趾先端部分を移植します。爪や指先のみの移植も可能です。

悪性腫瘍(乳癌、子宮癌、前立腺癌、悪性黒色腫)の治療として行われる腋窩部(脇)や鼡径部(股)のリンパ節を取る手術や放射線治療の後に四肢にむくみ(リンパ浮腫)を生じた場合、リンパ管と静脈をつなぎ溜まったリンパ液を静脈に流し込みます。

このように従来の方法ではうまく再建できないような状況でマイクロサージャリーの技術が役に立ちます。これらいずれの再建術も、顕微鏡下に数mmから1mm程度の動脈、静脈、リンパ管を、あるいは神経同士を吻合できることが、必須の条件となります。

このようなマイクロサージャリーの技術を習得するためには、日々の修練とそれができる施設が必要です。

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3. 期待される効果

マイクロサージャリーの技術を応用することで、これまで不可能と考えられていた病気に新たな治療法を導入することが可能になりました。ただしマイクロサージャリーによって何でも治療できるというわけではありません。そこにはおのずと適応と限界があります。これからも研究が進んで、マイクロサージャリーの分野にも新たな展開が開けていくことは、間違いないと思われます。

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