形成外科で扱う疾患


植皮

1. 植皮とは

植皮とは、いわゆる皮膚移植のことで、自分のからだの他の部分から皮膚を採取して、皮膚が欠損している部分に移植することです。移植した皮膚は、色調や質感などが部位により異なります。移植した皮膚は4日程度で新しく血が通うようになり1週間程度で着きます。

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2. 植皮の種類

移植する皮膚の厚さにより2種類に分かれます。表皮と真皮を含んだ厚い全層植皮と、表皮と真皮の一部だけを含んだ薄い分層植皮です。

全層植皮は着くと、通常の皮膚の質感に近く、関節部や整容的な目的に適しています。全層植皮は、主にそけい部(太ももの付け根)や鎖骨部などから採取して、採取したあとは縫い縮めるので、線状の傷あとが残ります。しかし、採取できる皮膚の大きさに制限があり、きれいに皮膚を着けることがやや難しい点があります。

一方、分層植皮は大きな皮膚を採取でき、皮膚の生着は比較的良好です。しかし分層植皮は皮膚が着いた後の縮みが大きく質感の点でも全層植皮に劣ることがあります。また、分層植皮を採取したあとは面状の傷あとになります。

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3. 手術方法

まず、止血と洗浄をして皮膚欠損部の状態を整えます。次に、全層植皮ではメスで、分層植皮ではダーマトームなどの道具で皮膚を採取します。採取した皮膚を皮膚欠損部に縫い着けます。皮膚が着くには皮膚と欠損部が密着してずれないことが必要であり、移植した皮膚の上にガーゼをおいて糸で固定したり、移植した部分の腕や足にギプスを巻いて固定したりして安静を保ちます。手術後数日から1週間程度で、植皮部を開けてガーゼ交換をします。その後、数ヶ月間は移植した部分を軽く圧迫したり、遮光したりするアフターケアが大切です。

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4. 植皮を行う疾患

やけどや外傷による皮膚欠損、傷あとの引きつれを切除したあと、あざなどを切除したあと、合指症など指を切り離したあとの皮膚欠損などです。骨や腱、人工物が露出した場合には植皮は着きません。

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5. 植皮による合併症

移植した皮膚の下に血の塊ができたり化膿したりすると、植皮した皮膚の一部あるいは全部が壊死します。移植した皮膚が色素沈着を起こしたり、植皮部周囲の傷あとが盛り上がったりすることがあります。

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6. その他

自分の皮膚を移植することが一般的ですが、全身やけどなど免疫力が下がっている場合には両親などの他人の皮膚を移植することがあります。また、動物のコラーゲンなどから作製した人工真皮を補助的に利用することがあります。さらに、自分の小指大(1cm2大)の皮膚を採取し、培養して大きな培養皮膚を作製して全身やけどの治療に応用しようという研究が行われています。

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