形成外科で扱う疾患


リンパ浮腫

1. リンパ浮腫とは

乳癌や子宮癌あるいは腋窩・鼠径部の悪性腫瘍切除に合わせてリンパ節の郭清を行ったために、リンパ液の還流が悪くなり、四肢にリンパ液が貯留し、浮腫に陥った病態です。先天的にリンパ組織の発育が悪く、徐々にリンパ浮腫になって行く場合もあります。いずれにしてもリンパ液のうっ滞が原因で、軽度の外傷で蜂窩織炎を起こしやすく、炎症を繰り返すたびにリンパ組織周囲に繊維化が進んで、浮腫が非可逆的になってきます。最終的には皮膚の過角化をともなった象皮状になります。

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2. 治療法

これまでは“リンパ浮腫は治らない”とか“保存療法でも浮腫が増大した例にのみ外科療法を行う”という考えが一般的でした。しかし、圧迫を中心とする早期からの保存療法は有効です。外科治療としてはリンパ管静脈吻合術がありますが、その場合も圧迫療法を併用する必要があります。手術は、原則として入院していただき、比較的良好なリンパ管のある足背~足関節、膝関節、手関節、肘関節などの関節部分に小切開を加え、顕微鏡下に、真皮下あるいは脂肪組織内の細静脈とリンパ管を、リンパ液と血液の流れる方向を確認して、リンパ液が順行性に流れるように吻合します。吻合は、顕微鏡下にリンパ管と同径の細静脈の吻合を行います。このような吻合術を1肢につき数カ所行い手術は終了します。術後数日はできるだけ患肢の安静を保っていただきます。その後は圧迫ストッキングか弾力包帯を用いた、患肢の圧迫を開始していただきます。

ただしこの治療法も、全ての患者さんに有効とはいえませんが、浮腫発生後早期の例では有効なことが多いようです。そのためにもリンパ浮腫が発生しましたら、できるだけ早期に専門の医師にご相談されることをお勧めします。この手術法が行われていない施設もございますので、あわせてご相談下さい。

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3. 期待される結果

リンパ浮腫発生からの経過年数やその程度により、手術により得られる効果には差があります。著効例では四肢周径の劇的に減少し、蜂窩織炎が起こらなくなります。また、両側にリンパ浮腫が発生する場合もありますので、予防的治療も必要と思われます。

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