形成外科で扱う疾患


母斑症

遺伝が関与することが多く、身体の多部位にわたって種々の母斑が出現したり、皮膚症状以外にも種々の臓器に異常を認める場合があります。治療に関しては、基本的には各疾患に対する特異的な方法はなく、各部位の症状に合わせて行うものとなるので、詳細は色素性母斑や血管腫の項に準じますが、皮膚以外の臓器の疾患の異常も念頭に慎重に計画すべきです。また手術時期も特に決まったものはなく、患者の希望、ないし、機能的または整容的に症状が患者にとって不利益と判断したときに行います。以下に代表的な疾患とその治療法を簡略に述べます。

1. ブーヌヴィーユ・プリングル母斑症 Bourneville-Pringle's phacomatosis(結節性硬化症)

皮膚症状としては鼻周囲を中心として小隆起が重なり合うように多発します。手術により皮膚表面の剥削術や、目立つ部位を切除し縫合することになります。知能障害やてんかんなどを合併することもあり、遺伝性と言われています。

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2. レックリングハウゼン母斑症 Recklinghausen phacomatosis(神経線維腫症)

身体のいたるところに褐色の色素斑、または柔らかな小さな腫瘍が多発、または巨大腫瘍が出現し、進行性に増大します。手術による切除、皮膚移植などが行われるものの、しばしば大出血をきたすため、注意が必要な疾患です。各種臓器にも腫瘍が存在することもあり、遺伝性の場合もあります。

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3. スタージウェーバー症候群 Sturge-Weber syndrome

顔面片側の巨大な血管腫が特徴的です。緑内障などの眼症状、てんかんなどの脳症状も伴うことがあります。手術による血管腫の切除、植皮を行います。遺伝性はないとされています。

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4. クリッペルウェーバー症候群 Klippel-Weber syndrome

主に手足の血管腫と患側の肥大延長を特徴とします。成長に伴い著明な左右差が出現するため、手術により患部の切除などを行います。明確な遺伝性はありませんが、時に家族発生をみることがあります。

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5. 青色ゴムまり様母斑症候群 Blue rubber-bleb nevus syndrome

幼少時より青黒色の腫瘤(血管腫)が、全身に多発します。疼痛を伴うこと、皮膚以外の臓器に出現することもあり、手術により切除されます。

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6. 神経皮膚黒皮症 Melanoses neurocutaneies

巨大な黒色斑(色素性母斑)に加え、けいれん、精神障害などの脳症状を合併します。黒色斑は植皮や、切除縫合を行います。

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7. ポイツ・イエガース症候群 Peutz-Jeghers syndrome

口唇、口腔内、手掌などに出現する黒色斑の多発に加え、腸にポリープを合併します。黒色斑は手術による切除、剥削術、レーザー療法などがおこなわれます。遺伝性と言われます。

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8. 色素失調症

生後すぐに紅斑、水疱が出現、その後疣状の結節が多発、灰褐色斑が多発、と多彩な症状を示しますが、就学の頃までには消失してきます。脱毛、白内障、知能発育不全などその他の種々の症状を伴うことが多く、皮膚症状に関しては自然消退するため、経過観察のみで、積極的な治療は行われていません。女児に多く、遺伝性です。

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