形成外科で扱う疾患


海綿状血管腫

1. 海綿状血管腫とは?

血管腫の一つです。といってもいわゆる「腫瘍(できもの)」ではなく「血管の奇形」と考えられています。子供のころに気がつかれるのが殆どですが、ずっと後になってから明らかになってくるものもあります。普通は皮膚が少し盛り上がり、押すと軟らかく中に血液を含んでいるので「ぷくぷく」とした感じがあります。似たような病気として「動静脈ろう」というのがあり、時として合併していることがあるのですが、「動静脈ろう」は触ると拍動を触れるので海綿状血管腫とは区別することができます。また皮膚の表面のほうは他の毛細血管が拡張するタイプの血管腫が合併していることもあります。このようなタイプは「イチゴ状血管腫」と鑑別することが難しいことがあります。「イチゴ状血管腫」は成長の過程で小さくなることがあるのに対して、海綿状血管腫は小さくなることはありません。

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2. 診断と治療は?

以上のような臨床症状と経過を専門医が注意深く診察すれば、その段階でおおよその診断は可能です。しかしながら海綿状血管腫が体の中でどのような位置(筋肉や重要な血管との位置関係)にあるのかなどの情報を得るために更に画像検査が大切です。通常CT,MRIなどとともに血管造影検査が施行されます。これは海綿状血管腫に出入りしている血管を同定したり、血管腫そのものをはっきりと確認するために重要な検査です。場合によってはこの時に出入りしている血管に詰め物をして血管腫自身をしぼませてしまう治療法もあります。これを塞栓療法といいます。また療法単独では腫瘍を小さくできなかったとしてもその後で血管腫の摘出手術を行う場合には手術中の出血を少なくしてくれる利点があります。

またこの他に血管腫の血管の中に特別なお薬を注入して血管を固めてしまう硬化療法を行っている施設もあります。

残念ながら現時点では海綿状血管腫に放射線やレーザーは無効です。海綿状血管腫に合併している他のタイプの血管種に対しては有効なことがありますが基本的には効かないと考えていただいたほうがいいと思います。

塞栓療法や硬化療法が無効なときは最終的に手術で摘出することになりますが、手術は出血を制御することが重要なためあらかじめ十分な画像診断を受けられてからお受けになることをお勧めします。

以上のことからもしこの病気を疑ったのならあわてることなく、専門家の診察をお受けになることをお勧めします。

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