形成外科で扱う疾患


表皮母斑

1. 疾患の解説

出生時または幼少時から見られる表皮の過形成による母斑(あざ)です。原因は不明で新生児1000人に約1人の発生頻度とされています。自然に消退することはなく、他の母斑と同様に体が大きくなるのに比例して母斑も大きくなります。頻度は低いのですが思春期以降に表皮母斑に良性または悪性の続発性腫瘤が発生することがあります。また表皮母斑に中枢神経系、骨格系の異常を合併することがあり、表皮母斑症候群と呼ばれています。

臨床的に以下の3型に分類されます。

(1)限局型(疣状母斑)

母斑が限局して集合したもので、単発したり多発することがあります。

(2)広範型(列序性母斑)

四肢や体幹で線状に並ぶものです。

(3)炎症型

皮疹は硬い淡紅色で、線状に配列し強い掻痒感を伴います。

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2. 治療法

外科的治療

母斑を切除する方法であり、皮膚欠損範囲が幅広くなければ可能なかぎり単純に縫縮するが、広範囲な場合には植皮術や他の方法を用います。植皮術は移植部に色素沈着を来たしやすく整容面での治療効果に限りがあるので、最近では整容面で治療効果が良い皮膚進展法を用いることもあります。この皮膚進展法はティッシュー・エキスパンダー(シリコン製バッグによる組織伸展器)を皮膚の下に埋め込んで生理食塩水を徐々に注入してバッグの膨らみを利用して皮膚を伸展させて欠損部を修復する方法ですが、二回も手術が必要になり治療期間が長引くのが欠点です。

レーザー治療・皮膚剥削術

母斑をレーザーやグラインダーで削る治療法です。母斑が再発したり削った跡が瘢痕となる可能性があります。凍結療法、電気凝固:液体窒素で母斑を凍結させたり、電気凝固で母斑表面を削る治療法です。同様に母斑が再発する可能性や削った跡が瘢痕になる可能性があります。

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3. 治療により期待される効果

続発性腫瘤の発生の可能性が低いため、治療目的は主に整容的なものとなります。外科的に切除された部分は再発することはないですが、瘢痕は必ず残ります。特に植皮術が必要な場合には植皮部の色素沈着や拘縮と、採皮部の瘢痕が残ることになります。皮膚剥削術、レーザー治療、凍結療法、電気凝固では再発が問題となり、通常複数回の治療が必要です。完全に消退しない場合は外科的治療を最終的に選択することになりますが、母斑の発生部位や大きさ、各治療法の利点や欠点を考えて手術術式を選択するのが良いでしょう。

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