形成外科で扱う疾患


ページェット病

1. 疾患の解説

ページェット病(Paget病)は乳房,腋窩,会陰部,肛門周囲などに発生する上皮内癌で進行するとページェット癌になります。通常,乳房Paget病と乳房外Paget病とに分けられ,一般に赤色調(淡紅褐色~鮮紅色)の斑状病変として認められます。乳房外Paget病では組織学的には乳房Paget病では見られない表皮内におけるPaget細胞のスキップ現象が見られることが多く,このため,切除範囲を決定するのが容易ではありません。診断や治療が遅れれば,真皮内に浸潤しPaget癌になり,びらんや潰瘍を伴うようになり,予後不良となる場合があります。

診断は生検によってPaget細胞の存在などで確定されます。

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2. 治療法

Paget病の治療法としては,外科的切除が原則であり,外科手術以外の方法として放射線照射,抗癌剤による化学療法などは報告されていますが,ほとんど効果は期待できないとされています。切除範囲の決定には,術前に病巣辺縁部から少し離れた部位で多数箇所の生検を行います。Paget病の原発巣が大きい場合は,Paget癌に進行していることもあり,特に隆起性病変となっている時は,進行癌を疑います。

一方で意外に早く浸潤してリンパ節に転移する場合がありますので,MRI検査,あるいはCT検査により,リンパ節の検索も行ったほうが良いとされています。

手術は病巣辺縁から3~5cm離して切除し,深さは皮下脂肪組織の中層で行います。広範な欠損となりますが,一般的には植皮で修復されます。リンパ節転移が疑われる場合にはリンパ節郭清術を行います。女性の乳房外Paget癌進行例では時に尿路変更や人工肛門の造設を要し,会陰部の組織欠損に対しては筋皮弁などを用いた再建手術が行われます。

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3. 治療により期待される結果

予後は表皮内癌(Paget病)か浸潤癌(Paget癌)かで全く異なります。表皮内癌であれば,根治手術さえなされれば予後は良好です。それに対して浸潤癌では,転移の程度にもよりますが遠隔成績は良好とはいえません。

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