形成外科で扱う疾患


頭蓋・顔面骨欠損

1. 疾患の解説

外傷や腫瘍切除後などの頭蓋・顔面骨の欠損した状態です。頭蓋・顔面骨の欠損により、外見の変形が起こります。また、外見上の問題だけでなく、頭蓋骨の欠損の場合は、脳に対する保護のため、再建が必要になります。

Pagetop

2. 治療法

自家骨(自分の骨)や人工骨により、欠損部の補填、再建を行います。使用する材料によるいろいろな長所や短所があります。主なものを紹介します。

(1)自家骨による場合

頭蓋骨(外板と内板の2層に分かれるため、その一方を採取して使用します。)、腸骨(腰の骨)、肋骨(胸の骨)などを使用します。自分自身の組織なので、人工骨と比較して、補填後の安定性に優れます。ただし、採取部位に骨欠損による変形やキズ跡が残ることが欠点です。

(2)人工骨による場合
A.樹脂製の人工骨
液体状の樹脂を手術室で硬化させて、欠損部を補填します。簡便に使用できることが長所で、腫瘍切除後の欠損などに、広く一般的に使われています。異物としての反応が見られることがあり、感染や露出を起こす可能性が、やや高いことが欠点となります。
B.チタンなどの金属製メッシュ
頭蓋骨の欠損を、チタンなどの金属製のメッシュにより閉鎖する場合があります。厚みのある立体としての補填はできませんが、脳を保護し、表面の形状を修正する効果があります。
C.水酸化アパタイト製の人工骨
水酸化アパタイトとは、人間の骨の主成分をなす物質です。その水酸化アパタイトを人工的に合成して人工骨として使用しています。骨の主成分と同じものですから、他の人工骨と比べ、異物反応が少なく、組織親和性に優れています。しかし、いわゆるセラミックスとして焼成して作成されるため、加工性に乏しいということが短所となります。いろいろな形状に合わせて数多くの既製品が用意されており、それを修正して使用します。また、患者さんの実際の骨欠損の状態を頭部CT(コンピュータによる断層写真)などにより計測し、実際の骨欠損形状に合った特注品を予め作成準備し、使用する場合もあります。さらに、最近では、粘土状のものを、手術室で硬化させるタイプも登場しています。

Pagetop

3. 治療により期待される結果

上記で述べたようにいろいろな材料により、患者さんの状態に適した方法で再建が行われます。特注品の人工骨を作成することなどにより、非常に大きな複雑な骨欠損でも良好な結果を得られるようになりつつあります。

Pagetop