形成外科で扱う疾患


鼻骨骨折・鼻篩骨骨折

1. 疾患の解説

鼻骨は鼻中隔とともに鼻の上半分を形作っている、薄い骨です。薄いため、肘があたった位の比較的弱い力でも簡単に折れてしまいます。鼻骨が折れるとほとんどの場合、鼻血が出ます。また、折れた部分を指で押さえると強い痛みを感じます(圧痛といいます)。折れた直後は鼻すじの部分が“く”の字型に曲がっていたり凹んでいたりするのがわかりますが、しばらくすると腫れでわからなくなってしまいます。折れているか否かの判断は以上の事柄からだけでも可能ですが、確定するためにはレントゲン撮影(CT撮影が有効です)が必要です。CTを撮るとどのように折れているかわかって、治療の手助けにもなります。

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2. 治療法

折れた骨を放っておくと、そのままの形で癒合してしまいます。そうすると、見た目が悪いだけでなく、時には鼻の通りも悪くなってしまいます。通常1週間から2週間で癒合してきますので、その前に、なるべく早めに折れた骨を元の位置に戻してやる必要があります(腫れが強い場合は少し待つこともあります)。

手術は、成人の場合通常、局所麻酔(鼻の部分的な麻酔)でおこないます。麻酔薬を浸したガーゼを鼻の中に入れ、30分から1時間待ちます。十分に麻酔が効いたところで、鉗子という器械で骨を外から挟んで元の位置に戻します。戻ったら鼻の中にガーゼをパックします。更に鼻の外側からギプスを当てます。皮膚や粘膜を切ったり縫ったりする必要はありません。大体10分から20分くらいの短い手術です。
なお、鼻の粘膜は痛みに非常に敏感な部分です。
お子さんや神経質な人の場合は全身麻酔が必要になることもあります。

手術が終わったら、1時間ほど休んでいただいた後、帰宅してもらいます。
その日は少し痛むこともありますが、痛み止めで十分対処できます。
パックしたガーゼは3、4日経ったら抜き、ギプスは1週間で外します。

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3. 治療により期待される結果

早く治療すれば、ほぼ完全に受傷前の形態に戻ります。傷もできません。
しかし、1週間以上経ったような骨折では戻りにくいことがあります。
1週間以上経っているような場合、局所麻酔で戻そうとしても痛みが強く、全身麻酔が必要になることが少なくありません。
なお、1ヶ月以上経ったような骨折は変形した部分の骨を改めて切りなおす必要があります。当然手術時間も長くなり、侵襲も大きくなります。

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4. 鼻篩骨骨折

そのほか、鼻骨だけでなく、その奥にある骨(両眼の間の骨です)も併せて折れることがあります。鼻篩骨骨折といい、通常、交通事故などで強い力が作用した時(特に顔をダッシュボードに強く打ち付けた時)に生じます。

この部分の骨には瞼が付着している突起や涙を鼻に流している孔があるため、骨折が起きると目の形が変わったり涙が止まらなくなったりします。また、鼻すじも強く凹んでしまいます。治療の原則は、なるべく早い時期に折れた骨を元の位置に戻し、必要なら骨を移植してやることです。しかし、頭蓋底損傷などを合併していることも多く、個々のケースで手術時期や術式が異なりますので、詳しくは主治医の先生と御相談ください。

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