形成外科で扱う疾患


尿道下裂

1. 疾患の解説

本来亀頭先端に開口する尿道口が、ペニスの下側で、冠上溝から会陰部の間のさまざまな位置に開口する尿道の形成異常です。従って、本症例では排尿時におしっこが前に飛ばず下着を濡らしてしまいます。発生頻度は500から1000出生に1例で、白人ではこれより多いと言われています。合併症として停留睾丸が多くみられます。一般に治療による機能予後は良好ですが、鼠径ヘルニア、心疾患などの合併異常の検査も行うことを勧めます。

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2. 治療法

尿道下裂は、手術を行う以外の治療法はありません。一般的に手術は2歳から3歳頃に行います。陰茎部の皮膚発育の状態によっては1歳半頃にも行います。発生時に尿道を形成する組織が遺残した索状組織によってペニスが下方に屈曲される障害が起ることがあります。この索状組織があるかないかで、1回の手術か2回に分けた手術法が選択されます。形成外科的に侵襲の少ない手術により、多くは1回の手術で行っています。尿道は陰茎部皮膚、包皮、あるいは陰嚢部の皮膚を用いて作り、亀頭先端に開口させます。部位的に用いる皮膚は薄く、縫合部の癒合不全を合併しやすいために、拡大鏡、顕微鏡を用いた繊細な手技で行いますが、創が治るまで約2週間排尿および再建した尿道腔の確保のため膀胱カテーテルを留置します。

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3. 治療により期待される結果

男児の共同生活の上で大切な、便器の前に立ち、放出できる尿線の状態を獲得することができます。体動の活発な2~3歳での手術のために、術後約2週間の膀胱留置カテーテルの維持が最も問題となります。亀頭の先端よりの排尿の獲得は将来の性交渉のためにも大切な再建手術です。

図1

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