形成外科で扱う疾患


鳩胸

1. 疾患の解説

鳩胸は漏斗胸とは反対に、前胸壁が前方に突出した胸壁の先天異常で、前胸部変形以外に自覚症状はあまりありません。漏斗胸と鳩胸の比率はおよそ10対1で、男性が女性の約5倍です。本症は生下時にはほとんど気づかれず、3歳頃と10歳頃に気づかれることが多いです。漏斗胸と鳩胸が同一家系にともに発症することが多く、何らかの遺伝的素因が考えられます。

鳩胸は胸壁の変形の形で3つに分けられています(図1)。

第1型は胸部の下の方が最も突出していて、巨人が胸骨の下端を鷲掴みにして引き出したような形をしています。この形が最も一般的で、鳩胸の67%を占めます。第2型は胸部の上方の突出で、比較的まれで約5%にすぎません。第3型は非対称性鳩胸で、片側の胸壁が突出しています。この形は約28%あります。

一般に無症状のことが多いのですが、手術後に身体の調子がよくなって、はじめて術前の症状に気づくこともあります。また、高齢者になると肺気腫になり易いともいわれています。

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2. 治療法

前胸部の突出変形が気になれば、3歳以降に手術を行います。
手術法は、変形している肋軟骨を軟骨膜を残して切除して、軟骨膜を短縮すると変形が矯正されます。この方法は侵襲も少なく、良く変形が矯正されることから多用されています。
手術法は、鳩胸変形の型(第1型~第3型)により多少修正を要します。

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3. 治療により期待される結果

鳩胸変形が矯正され、正常に近い胸郭となります。

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4. 術後合併症と長期予後

術直後の合併症は、無気肺や肺炎が考えられますが、その頻度は少ないです。
鳩胸の発症は3歳頃と10歳頃の2つのピークがあり、発症後2年間は変形が進行するので、2年以上待機してから手術を行えば再発することはありません。

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