形成外科で扱う疾患


耳(前)瘻孔

1. 疾患の概説

耳瘻孔とは、生まれつき耳の周囲に小さな穴が開いて、その下方に管(または袋状)があり、その管の先端は耳介軟骨で終わっているものを言います。これは耳を形成する時の異常により生じたものと言われています。耳の異常の中ではかなり頻度の高い疾患の1つです。遺伝性のみられるものもあります。

耳瘻孔から臭いのあるチーズ様の分泌物が出てきたりすることもあります。この状態で一生経過することもありますが、この小さい穴から細菌が入って感染を繰り返す場合もあります。一度感染を起こすと、その腫脹したところを切開して膿を出したり、抗生剤を内服するなどの治療が必要になります。慢性化すると耳前部や耳後部に膿瘍(不良肉芽)がみられることがあります。また、耳瘻孔のある方の顔面が感染により腫れたりすることもあります。

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2. 治療法

感染を起こしたことのない耳瘻孔の場合は、そのまま様子みても差し支えないと思います。しかし、一度でも感染を起こした既往があれば再感染を起こす確率が高いので手術による摘出を勧めます。感染が完全に治癒すれば、耳瘻孔の摘出が可能です。通常は、感染の治癒が確認されて後、1ヶ月から3ヶ月間待ちます。

成人の場合、外来通院で局所麻酔下に摘出手術が可能です。幼少時は手術中の鎮痛・鎮静が必要になるため、全身麻酔下に行います。この場合は3日から約1週間の入院が必要になります。手術は、耳瘻孔を含めて管状や袋状のものを全て取り去ります。まれに耳の後の切開や大きな切開が必要になる場合もあります。傷は丁寧に縫合し、抜糸は術後5日前後におこないます。

感染を繰り返す場合は、耳前部の皮膚が薄く赤くなっていますが、耳瘻孔を摘出すると落ち着きます。また、耳前部に膿瘍(不良肉芽)がある場合もありますが、これも耳瘻孔を摘出すると瘢痕になって落ち着きます。従って、膿瘍(不良肉芽)を無理に切除する必要はありません。

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3. 治療により期待される結果

耳瘻孔を完全摘出することで諸症状は解消します。ごく稀に再発する場合もありますが、この場合は再手術が必要になります。

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