形成外科で扱う疾患


耳垂裂

1. 疾患の解説

耳(耳介)は妊娠1ヶ月から2ヶ月の間に耳全体の形がほぼ完成します。この病気の原因は不明ですが、耳介が形成されるこの期間に耳たぶ(耳垂)の部分に何らかの障害が起ったために耳垂裂が発生すると考えられています。耳垂裂とは生まれつき耳垂が割れている状態の耳介先天異常の一種です。この割れた状態は一定ではなく、耳垂下縁の軽度のくびれ程度から、単純に縦に割れた状態、2ないし4個の分葉状に割れている状態など様々です。ただし程度の差はありますがほとんどの場合、耳垂の発育障害を伴っていますので、耳垂の組織量はやや不足しています。しかし耳垂より上部の耳介の発育障害はなく、聴力も全く正常です。

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2. 治療法

治療には手術が必要です。手術する際に、割れている部分を単純に直線的に縫い合わせると傷のひきつれが残ります。したがって、縫合線がジグザグとなり、耳垂下縁がくびれの無い自然なカーブになるようにメスで皮膚に切開を加えて、髪の毛よりも細いナイロン糸で皮膚をこまかく縫い合わせます。手術の時期は、一般的に1歳以降に行われていて、1回の手術で治ります。小さいお子さんですので全身麻酔が必要です。お子さんの精神的負担がかからないように、幼稚園などの集団生活に入る前に手術を受けることをお勧めします。

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3. 治療により期待される結果

手術後約3ヶ月間は皮膚を縫い合わせた部分が少し赤く硬くなり少し目立ちますが、6ヶ月以上経過すると傷は白く柔らかくなりほとんど目立たない傷となり、自然な柔らかい耳たぶとなります。多くの場合、手術後は反対側の正常な耳垂に比べるとやや小さい耳垂となります。しかし、人と対面する場合、耳は眼のように左右同時に耳全体を見ることができないので、その差はほとんど気にならない程度です。

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