形成外科で扱う疾患


顔面裂

1. 疾患の解説

生まれつき組織の一部が裂けた状態を裂と呼び、母体内で受精卵から顔が形成される過程において何らかの組織の障害や癒合の不全によって生じると考えらています。代表的なものは唇裂ですが、これ以外にも顔では様々な裂異常があり、これらは総じて顔面裂と呼ばれています。しかし、唇裂に比べて発生頻度は圧倒的に少なく、「稀な顔面裂」とも呼ばれます。顔面裂といってもすべてがナイフで切られたように顔が裂けているわけではなく、単に凹んで見えるだけのものもあります。また、変形の程度も目や鼻などの微妙なズレによって判別できるものから、顔の骨にも高度の裂が存在するものまで様々です。

Pagetop

2. 分類と症状

多くの患者さんの症状をもとにして、現在は口や目を中心に15種類の顔面裂に分類されています。顔面裂の中では口から目に至る斜裂が代表的ですが、他には顔の中央部の裂(正中裂)、こめかみ付近の裂(側方裂)、口を横切る裂(横裂)なども見られます。

裂の部位によって様々な変形を呈しますが、よく見られる症状としては、唇の変形(多くは裂けたような変形)、瞼(まぶた)の変形や位置の異常、舌のように突出した生え際の異常、頬の線状の陥凹などが見られます。また、顔の表情筋の異常を反映して、表情によって変形が明らかとなる場合もあります。

Pagetop

3. 治療と治療の時期

瞼が全く閉じられず視力障害の原因となる場合や、呼吸障害などの生命にかかわる変形は生後早い時期に何らかの救済的な処置が必要です。また、重大な機能障害を及ぼさない変形でも、唇や瞼の目立つ変形は生後3カ月頃に手術を行います。

治療内容は個々の変形によって大きく異なります。しかし、一般的には皮膚の形成術だけにとどまらず、口唇や眼瞼の再建手術、脂肪や骨などの組織移植、頭蓋骨や顔の骨の移動などの高度の専門的な治療が必要です。

Pagetop