形成外科で扱う疾患


口蓋瘻孔

1. 疾患の解説

口蓋瘻孔とは、口蓋形成術のあとに口蓋に鼻に通じる孔が残ってしまった状態をいいます。口蓋形成術の目的は口と鼻を完全に分離することですから、手術後は口の中の水分や食物が鼻に漏れたりすることはありませんが、瘻孔が残るとこのような症状が見られます。しかし、最近ではいろいろな手術法があり、特に口蓋の前の方を閉鎖しないこともあります。一般に二期法といわれるものや、一期法でも歯茎の部分を意図的に閉じないことがあり、こういう場合は漏れがあっても瘻孔とは呼びません。瘻孔による障害は食べ物や水分の鼻漏れのほか、空気の漏れにより、ことばに若干の聞き難さが生ずることがあります。一般的には口蓋の後半分(軟口蓋)に生じた瘻孔では影響が大きく、前半分(硬口蓋)では直径5ミリを越えるものでないとあまり影響はでないといわれています。

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2. 治療法

  1. 瘻孔周囲の粘膜を移動して閉鎖する方法(局所弁法:図1
  2. 口唇裏側の粘膜を利用する方法(前庭弁法:図2
  3. 舌の粘膜を移植する方法(舌弁法:図3
  4. 頬の粘膜を移植する方法(頬粘膜弁法)

などがあり、瘻孔の位置や大きさによって使い分けられます。顎裂(歯槽裂)の部分に骨移植を行う場合は(1)(2)と一緒に行われることが多く、前方部の瘻孔閉鎖には効果的です。(3)(4)は離れた場所、つまり舌から口蓋、あるいは頬から歯肉を飛び越えて口蓋へ移植するため、粘膜をつなげたまま(茎と呼びます)移植することが必要で、それを切り離すため、2回の手術が必要となります。また、最近では、顎裂部に骨を移植することが広く行われていますが、同時に行うと、より確実な閉鎖を行うことができます。

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3. 治療により期待される結果

適切な手術法を選べば、瘻孔は閉鎖することができます。しかし瘻孔閉鎖はすでに手術されている部分をさらに手術するので、粘膜の状態が良好でない場合もあり、再発や漏れが完全になくならないこともあります。また手術法だけでなく、ご本人が、うがいや歯磨きによって口の中の環境を良好にしておくことも成功率を高めるのに役立ちます。

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