形成外科で扱う疾患


ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは

ケミカルピーリングの歴史は古く、4000年以上昔のエジプト文明の頃には民間療法として行なわれていました。クレオパトラがミルク風呂に入っていたという話やフランスのルイ14世が古いワインを皮膚に塗っていたという話が伝えられていますが、前者はミルクに含まれている乳酸、後者はワインに含まれている酒石酸を利用したケミカルピーリングと言えます。日本でも、冬になるとゆずやみかんを風呂に入れる習慣がありますが、これも一種のケミカルピーリングであり、知らないうちにみなさんも経験されているのではないでしょうか。新しい方法ではなく、医療的には1880年代より行われています。そして、現在主に行われている化学薬品などを用いる方法は医療行為であり、医師免許を有する者だけに許可された行為です()。

さて、透明感のある白くみずみずしい素肌は、誰でもあこがれです。人間の皮膚は表皮、真皮の2層構造になっています。表皮の一番下にある基底細胞が分裂、分化し角質層に到達後アカとなって剥がれ落ちるまでをスキンサイクル(ターンオーバー)と言います。これが、28~35日で新しく生まれ変われば健康な肌と言われています。しかし、20代までは28日でも、年をとると、皮膚の新陳代謝が落ち、30代では約40日、40代では約55日と日数がかかってしまうのです。このように、サイクル期間がのびれば、表皮に死んだ古い角質がこびりつき、しわ、しみ、くすみ等の皮膚の老化の原因になります。ケミカルピーリングとは、このように停滞している表皮、厚くなった角質層を化学的、つまり酸などの薬によって剥離し、皮膚のサイクルを正常に戻す方法です。これにより基底細胞を活性化させ、真皮にある毛細血管からの酸素や栄養分を充分に補給できる状態を作り出します。角質が薄くなれば、美白剤などのクリームも皮膚に浸透しやすくなり、皮膚老化を予防するためのスキンケアとして有効です。また、ケミカルピーリングはにきびや脂性肌にも非常に効果があります。ピーリング剤は毛穴にも浸透します。実は毛穴にも角質がたまり、これがにきびの原因にもなっているのです。ピーリング剤は酸性ですので、角質をとる、アクネ菌を除菌する、2つの効果でにきびの治療をすることができます。今までいろいろな治療をして治らなかった、難治性の20代中頃から後半の方には、有効な治療方法です。

ケミカルピーリングがanti-agingやにきびのスキンケアに効果があることをお話してきましたが、医療で行うケミカルピーリングは、非常に浅いピーリングから深いピーリングまで4段階に分類され、使用するピーリング剤も多種あります。治療目的により方法も異なりますし、深くなればなるほど、副作用も多くなります。また、ケミカルピーリングは1回で効果がでるものではなく、効果を得るには継続する必要があります。皮膚の変化を診察できる医師のもとで行うことが安全であり、有効性も増すと思います。

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