形成外科で扱う疾患


フェイスリフト

1. フェイスリフト手術(皺伸ばしの手術)

老化に対する手術で最も代表的な手術です。眼や鼻の造作を変化させて別人のようになるわけではありませんので、社会的リスクはすくないと考えられます。今まで十分認識してきた自分の顔が少したるんできたのを少し戻して若々しく見せようという手術で、要するに5年、10年前の顔の輪郭を取り戻す手術なのです。

欧米では100年以上前から報告があり、既に確立された手術ですが、我々日本人をはじめとする東洋人は、頬骨がはった骨格や、厚くて弾力に富んだ皮膚などのために、西洋人と全く同様の手術ですと効果が出にくく、傷跡が目立ちやすいことが知られています。そこで東洋人に対するいろいろな工夫がされて現在に至っています。

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2. 手術の効果

仰向けに寝転がって鏡で顔を見ると起きていたときの弛みが後ろに行きます。若くてもなりますが、歳をとって顔に皮膚がたるむほど起きているときと寝転んだときの顔の変化が大きくなります。フェイスリフト手術は、起きていても、寝転んだときの顔が保存されていると考えればおおよその効果が理解できます。いつ手術をするかは、その弛みを生活の上でどのようにとらえるかで医師とよく相談して判断すべきです。

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3. 手術の実際

両方の耳の周囲の皮膚を切開し頬やこめかみの部分をはがし、弛みをとって再び耳のところで縫合します。これを左右に行うのですから時間もかかります。

局所麻酔でも出来ますが、範囲を広く、安全、確実に行うときは全身麻酔の場合が多く、入院をすすめることがあります。

またどの部位を重点的にひきあげるか、剥離の範囲など患者さんの個人個人や担当の医師の考えで異なります。

耳の周囲の切開線は耳の付け根で行いますが、こめかみから耳前部そして耳たぶを取り囲むようにU字型に後ろに回り、耳介の中程で水平に、後頭部の有毛部にまで切り込みを入れます。

切開線から顔の皮膚を剥がします。東洋人の場合、皮膚の下の結合組織が強固なので時間をかけて、止血操作を含め、丁寧に行う必要があります。剥離した皮膚を持ち上げると、表情を作る筋肉を覆う膜が現れます。これがSMAS(スマス)と呼ばれる薄い筋膜です。 この筋膜は顔の表情筋と連動しているため、皮膚だけでなく、この筋膜も引っ張ることで、つり上げの効果をより高めます(図1)。

皮膚の下で十分に筋膜に張りを出しておき、皮膚をはがしていない口の周りなどの張りが出るようにします(図2)。

次に皮膚を後に上方吊り上げながら、余分の皮膚を切り取って、縫合を行います。丁寧に縫合して手術後の後戻りと、それによる耳の変形を防ぎます。多くの場合抜糸は4,5日で取り除き、縫い跡が残らないよう心がけます(図3)。

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4. 手術の安全性(合併症の予防)

顔の皮膚を剥がすわけですから、表情を動かすときに関与する顔面神経を傷つけないようにします。耳の周囲はその神経も深いところを通っているので全く問題になりませんが剥離範囲が広くなるほど、神経の近くになり、傷つける可能性が高くなります。

手術中に十分止血しても人によっては手術後の出血が多く、傷の下に貯まってしまうことがあり得ます。そのため血液を傷の外に逃がしてやる細いチューブを留置することがあります。

顔面は血行がよく化膿することは先ずありませんが、予防的に抗生物質が投与されます。 手術後は耳の周りの感覚が一時的に鈍くなりますが、数ヶ月して回復します。

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